○岡崎市障がい者コミュニケーション条例

令和6年3月22日

条例第15号

私たちが互いに理解し合うためにコミュニケーションを図ることは、日常生活又は社会生活において欠かせないものであり、障がい者にとってのコミュニケーション手段は、障がいの特性に応じて多様なものとなっている。

本市においては、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段のうちの一つである手話が言語であることの理解が重要との認識の下、令和4年3月に岡崎市手と心でつなぐ手話言語条例を制定し、手話言語とろう者への理解の促進を図ってきた。同年5月には、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律が施行され、そこでは、障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の策定及び実施が求められているところであるが、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進が十分に進んでいるとはいえないため、意思表示をする者と受ける者が意思疎通を図ることについて互いに協力しながら、当該コミュニケーション手段を利用しやすい環境の整備を進めていく必要がある。

ここに、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進を図り、全ての市民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、支え合いながら共生することのできる地域社会を実現するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進に関し、基本理念を定め、並びに市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となる事項を定めることにより、当該コミュニケーション手段の理解及び利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって全ての市民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 障がい 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)、難病その他の心身の機能の障がいをいう。

(2) 障がい者 障がいがある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(3) 社会的障壁 障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(4) コミュニケーション手段 点字、音訳、拡大文字、手話(触手話及び弱視手話を含む。)、筆談、要約筆記、字幕、触覚を使った意思疎通、文字盤、実物又は絵図の提示、代筆、代読、重度障がい者用意思伝達装置、平易な表現、情報通信機器その他のコミュニケーションを図るための手段をいう。

(5) コミュニケーション支援者 点訳者、音訳者、手話通訳者、要約筆記者、ガイドヘルパーその他の障がい者のコミュニケーションを支援し、又は補助する者をいう。

(基本理念)

第3条 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進は、次に掲げる事項を基本理念として行わなければならない。

(1) 障がい者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加し、全ての市民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現を目指すものであること。

(2) 障がい者が日常生活又は社会生活を送る上で、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用することの重要性を認め、当該コミュニケーション手段を選択する機会が保障されること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(次条及び第6条において「基本理念」という。)にのっとり、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進について必要な施策を総合的かつ計画的に推進し、及び実施する責務を有する。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、市の施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、市の施策に協力するよう努めるとともに、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用しやすい環境の整備等の合理的配慮(障がい者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときに行われる適切な調整及び変更をいう。)の提供を行わなければならない。

(施策の推進)

第7条 市は、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解及び利用の促進のため、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の理解啓発に関する施策

(2) 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段による情報の発信及び取得に関する施策

(3) コミュニケーション支援者の養成、派遣及び配置に関する施策

(4) 災害時における情報の取得及びコミュニケーションの支援に関する施策

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策

(意見の聴取)

第8条 市は、前条各号に掲げる施策の推進に当たって、障がい者、コミュニケーション支援者その他関係者の意見を聴くものとする。

(財政措置)

第9条 市は、第7条各号に掲げる施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第10条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

岡崎市障がい者コミュニケーション条例

令和6年3月22日 条例第15号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第9編 社会福祉/第5章 障がい者福祉
沿革情報
令和6年3月22日 条例第15号