○岡崎市犯罪被害者等支援条例

令和6年3月22日

条例第14号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等支援の基本となる事項を定めることにより、当該支援のための施策を総合的かつ計画的に推進し、犯罪被害者等の心に寄り添い、犯罪被害者等の権利利益の保護及び受けた被害の軽減又は回復を図り、もって市民が安全で安心して生活することができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。

(3) 二次的被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、行政機関の職員その他の関係者又は周囲の者の理解又は配慮に欠ける言動、インターネット等を通じて行われる誹謗ひぼう中傷、報道機関による過剰な取材等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調、名誉の毀損、生活の平穏の侵害、経済的な損失その他の被害をいう。

(4) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪等の加害者から再び受ける被害をいう。

(5) 関係機関等 国、愛知県、警察、犯罪被害者等の支援を行う団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されるよう、配慮して行われなければならない。

2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が被害を受けたときから、社会において孤立することなく、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて、適切に途切れることなく行われなければならない。

3 犯罪被害者等の支援は、二次的被害及び再被害を生じさせることのないよう配慮するとともに、市、市民、事業者及び関係機関等が相互に連携し、及び協力して推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(次条第1項及び第6条第1項において「基本理念」という。)にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえて、犯罪被害者等の支援に必要な施策を策定し、及び実施しなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の心情を尊重し、地域社会で孤立させないよう努めなければならない。

2 市民は、市及び関係機関等が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等がその被害に係る刑事等に関する手続に適切に関与すること並びに精神的及び身体的な被害の回復に取り組むことができるよう、その就労及び勤務について配慮するよう努めなければならない。

2 事業者は、市及び関係機関等が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(相談及び情報の提供等)

第7条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう、犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連絡調整を行うものとする。

2 市は、前項の相談及び情報の提供等の支援を総合的に行うための窓口を設置するものとする。

(経済的負担の軽減等)

第8条 市は、犯罪被害者等が犯罪等により受けた被害(次条及び第10条において「犯罪被害等」という。)に係る経済的負担の軽減を図るため、支援金の支給その他必要な施策を実施するものとする。

(日常生活の支援)

第9条 市は、犯罪被害等により日常生活を営むことについて支障がある犯罪被害者等に対し、日常生活の支援のため、必要な施策を実施するものとする。

(居住の安定)

第10条 市は、犯罪被害等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、一時的な住居の提供等必要な施策を実施するものとする。

(精神的な被害の軽減又は回復)

第11条 市は、犯罪被害者等が犯罪等又は二次的被害により受けた精神的な被害を軽減又は回復することができるよう必要な施策を実施するものとする。

(広報及び啓発)

第12条 市は、市民及び事業者が犯罪被害者等の置かれている状況、二次的被害及び再被害の発生の防止の重要性その他犯罪被害者等の支援に関する事項について理解を深めることができるよう、広報及び啓発を行うものとする。

(人材の育成)

第13条 市は、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、相談、助言その他の犯罪被害者等の支援を行う人材を育成するために必要な施策を実施するものとする。

(意見等の反映)

第14条 市は、犯罪被害者等の支援に当たっては、犯罪被害者等、学識経験を有する者及び市民からの犯罪被害者等の支援に関する意見、要望等を把握し、市の施策に反映させるよう努めるものとする。

(個人情報の適切な管理)

第15条 市は、犯罪被害者等の支援における個人情報の保護の重要性を認識し、犯罪被害者等に係る個人情報を適切に管理するものとする。

(支援を行わないことができる場合)

第16条 市は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したときその他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

岡崎市犯罪被害者等支援条例

令和6年3月22日 条例第14号

(令和6年4月1日施行)