○岡崎市文化財保護条例
昭和33年4月1日
条例第11号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 文化財保護審議会(第3条~第5条の3)
第3章 市指定有形文化財(第6条~第18条)
第4章 市指定無形文化財(第19条~第24条)
第5章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財(第25条~第33条)
第6章 市指定史跡名勝天然記念物(第34条~第40条)
第7章 補則(第41条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、市の区域内に存する文化財について、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて市民の文化的向上に資するとともに、文化の進歩に貢献することを目的とする。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で市民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝づか、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
第2章 文化財保護審議会
(設置及び所掌事務)
第3条 教育委員会に、岡崎市文化財保護審議会(以下この章において「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、教育委員会の諮問に応じて市指定文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項について教育委員会に建議する。
(審議会への諮問)
第4条 教育委員会は、次の各号に掲げる事項については、あらかじめ、審議会に諮問しなければならない。
(1) 第3章に規定する市指定有形文化財の指定及びその指定の解除
(2) 第4章に規定する市指定無形文化財の指定及びその指定の解除
(3) 第4章に規定する市指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定(追加認定を含む。)及びその認定の解除
(4) 第5章に規定する市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
(5) 第6章に規定する市指定史跡名勝天然記念物の指定及びその指定の解除
(委員)
第5条 審議会は、文化に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、教育委員会が任命する15人以内の委員で組織する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
(会長)
第5条の2 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を総理する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第5条の3 審議会は、会長が招集する。
2 審議会は、過半数の委員が出席しなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
第3章 市指定有形文化財
(指定)
第6条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財のうち市にとつて重要なものを岡崎市指定有形文化財(以下この章において「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、あらかじめ、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しないときは、この限りでない。
3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。
5 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該市指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第7条 市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、市指定有形文化財の指定を解除することができる。
3 市指定有形文化財について、法第27条第1項の規定による重要文化財又は県条例第4条第1項の規定による愛知県指定有形文化財の指定があつたときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第8条 市指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。
2 市指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、適当な者を専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)に選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、市指定有形文化財の所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
(所有者又は管理責任者の変更)
第9条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、旧所有者に対し交付された指定書を添えて、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 市指定有形文化財の所有者は、管理責任者を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。この場合においては、前条第3項の規定は、適用しない。
3 市指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。氏名若しくは名称又は住所の変更が市指定有形文化財の所有者に係るときは、届出の際指定書を添えなければならない。
(滅失、損傷等)
第10条 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第11条 市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、市指定有形文化財の所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第12条 市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、市指定有形文化財の所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、市指定有形文化財の所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第13条 市指定有形文化財の管理が適当でないため当該市指定有形文化財が滅失し、損傷し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、防火施設その他の保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 教育委員会は、市指定有形文化財が損傷している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。
(現状変更等の制限)
第14条 市指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
(公開等)
第16条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、6月以内の期間を限つて、教育委員会の行う公開の用に供するため市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、3月以内の期間を限つて、市指定有形文化財の公開を勧告することができる。
3 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者に対し、前項の規定による公開及び公開に係る市指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(調査)
第17条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更等に伴う権利義務の承継)
第18条 市指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該市指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第4章 市指定無形文化財
(指定)
第19条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財のうち市にとつて重要なものを岡崎市指定無形文化財(以下この章において「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。
3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知してする。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足るものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第20条 市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、保持者又は保持団体の認定を解除することができる。
4 市指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財又は県条例第18条第1項の規定による愛知県指定無形文化財の指定があつたときは、当該市指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第21条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則で定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。
(保存)
第22条 教育委員会は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執るものとし、市は、保持者又は保持団体に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第23条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第24条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、市指定無形文化財の保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第5章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財
3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示してする。
(解除)
第26条 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示してする。
4 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財又は県条例第24条第1項の規定による愛知県指定有形民俗文化財若しくは愛知県指定無形民俗文化財の指定があつたときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
6 第4項の場合の市指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
(市指定有形民俗文化財の保護)
第28条 市指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の規定による届出に係る市指定有形民俗文化財の現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(市指定有形民俗文化財の公開)
第30条 市指定有形民俗文化財の公開には、第16条の規定を準用する。
(市指定無形民俗文化財の保存)
第32条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執るものとし、市は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(市指定無形民俗文化財の記録の公開)
第33条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
第6章 市指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第34条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物のうち市にとつて重要なものを岡崎市指定史跡、岡崎市指定名勝又は岡崎市指定天然記念物(以下この章において「市指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第35条 市指定史跡名勝天然記念物が市指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、市指定史跡名勝天然記念物の指定を解除することができる。
2 市指定史跡名勝天然記念物について、法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物又は県条例第29条第1項の規定による愛知県指定史跡、愛知県指定名勝若しくは愛知県指定天然記念物の指定があつたときは、当該市指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
(土地の所在等の異動の届出)
第36条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があつたときは、所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所有者による管理及び復旧)
第37条 市指定史跡名勝天然記念物の所有者は、当該市指定史跡名勝天然記念物の管理及び復旧に当たるものとする。
(管理又は復旧に関する勧告)
第39条 市指定史跡名勝天然記念物の管理が適当でないため当該市指定史跡名勝天然記念物が滅失し、損傷し、衰亡し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 教育委員会は、市指定史跡名勝天然記念物が、損傷し、又は衰亡している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対し、その復旧について必要な勧告をすることができる。
(現状変更等の制限)
第40条 市指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
第7章 補則
(委任)
第41条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(額田郡額田町の編入に伴う経過措置)
2 額田郡額田町の編入の日(以下「編入日」という。)前に額田町文化財保護条例(昭和42年額田町条例第14号。以下「旧額田町条例」という。)の規定により指定された文化財は、この条例の相当規定により指定された文化財とみなす。
3 編入日前に旧額田町条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。
附則(昭和34年7月10日条例第19号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(昭和51年3月29日条例第34号)
(施行期日)
1 この条例は、昭和51年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正前の岡崎市文化財保護条例に基づいてした処分、手続その他の行為は、この条例による改正後の岡崎市文化財保護条例(以下「改正後の条例」という。)中これに相当する規定がある場合には、改正後の条例の相当規定によつてしたものとみなす。
3 市指定有形文化財又は市指定史跡名勝天然記念物の保存に影響を及ぼす行為でこの条例の施行の際現に着手しているものについては、改正後の条例第14条又は第40条の規定は、適用しない。
附則(平成17年3月29日条例第15号)
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。
(岡崎市屋外広告物条例の一部改正)
2 岡崎市屋外広告物条例(平成14年岡崎市条例第57号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成17年10月5日条例第128号)
1 この条例は、平成18年1月1日から施行する。
2 この条例の施行の日以後最初に任命される岡崎市文化財保護審議会の委員の任期は、この条例による改正後の岡崎市文化財保護条例第5条第2項の規定にかかわらず、平成19年5月19日までとする。